2016-01-01から1年間の記事一覧
ティーレマン ベルリン・ドイツ・オペラを辞任 2007年まで(1997年から)の契約であったが、ティーレマンが要求していた財政支援を断られたため、抗議の辞任となった。(記事終わり) スコティッシュ・オペラ 大量解雇 財政難に喘ぐスコティッシュ・…
バレンボイム シカゴ交響楽団の音楽監督を2006年10月に退任。 バレンボイムの任期は15年。CSOの商業的活動(non-artistic activities)と彼の音楽方針が合わなかったとした彼のコメントを出した。CSOとは1969年から続き翌1970年には既に指揮…
とうとうこの全集も最後。第1楽章。時間幅を持った重厚な響きを印象的に聴かせながら、各セクションの対比が効果的に際立つ演奏はラインスドルフならでは。色々な音があちこちから聴こえ重なり合ってくる様は、この曲の複雑な構成を物語っており圧巻ともい…
ここまで聴いてくるとラインスドルフの語法をたっぷりと理解することができるため、それが第8番の演奏をより魅力的なものにしてくれる。冒頭から素晴らしい和音を聴かせた後、淡々と演奏が進むところは相変わらずであるが、その丹念に計画された表現を積み…
ラインスドルフ劇場のような1楽章。ただし劇場といっても観客は興奮して立ち上がっている訳ではなく静かにラインスドルフの世界観に浸るという感じ。「舞踏の聖化」(ワーグナー)、「リズムの神化」(リスト)、「他のいかなる曲よりも精神的疲労を生じさせる…
今年のロンドンは12月に入って少し暖かくなってきた。折角の土曜日だが雨が続いており、午前中は毎年恒例の日本食材店のセールに繰り出したが、午後はイマイチ外出する気にもならない。冬至も近づきますます暗くなってきておりレコード鑑賞には充分な環境…
第4番に続けて、レコード盤を替えることなく第5番の1楽章が始まったのでそのまま聴いている。非常に冷静であくまで音の純粋な響きを聴かせる。特に、劇的な盛り上げ方をする訳でも無く、淡々と音楽が進むのではあるが、それは間違いなく語りかけてくるよ…
長い間、ムーティ、フィラデルフィア管の全集を聴いていたが、久々にラインスドルフの録音に戻ると、ムーティのEMIの録音の悪さが余計に感じられる。確かRCAの録音状態も良い訳では無かったはずだが、非常にまともな録音に感じられる。 ムーティと比べて、同…
1988年の録音。音楽の構成が素晴らしくムーティの音楽解釈の巧さがよく出ている。明快なリズム感とそれに追随する弦楽器群とティンパニの絡みは1、2楽章ととても面白く飽きさせない。第3楽章の弦楽器の美しく時間をたっぷりと蓄えた響きは期待通りで…
相変わらず録音がイマイチではあるが、ムーティ的な音楽が満載となっており、この曲の明るさと、複雑さとの相性が面白い。かなり野心的な演奏でもあり、音の密度がかなり濃く出ている。特に低弦部分を充分に鳴らせておりフィラデルフィア管ならではである。…
ムーティの冷静に隅々まで計算しつくされた音楽への意識は、冒頭から強く感じられる。フィラデルフィア管もそれに時間的余裕を充分に持ちながら対応しているところに当時のレベルの高さを伺うことができる。 圧巻の第1楽章に続き、第2楽章の弦楽演奏の微妙…
フィラデルフィア管の重低音の快い響きと充実した音楽の流れが感じられる。1987年の録音ながら新鮮な雰囲気を感じさせるところがムーティらしい。特に柔らかい響きをポンと置くようなタッチは独特である。なかなかこの曲を面白く味わせてくれる録音に出…
ムーティの抜群のリズム感と芳醇で暖かい弦楽器群の響きがこの演奏の水準の高さを感じさせるが、何分録音の質が悪いため聴き手がイマイチ入り込む感じにはならないのが残念。その分、弦楽器のアンサンブルの妙に冷静に耳を集中させることができる。ムーティ…
非常に切れ味があり、曲の波を追い立てるようなムーティの指揮に抜群の運動神経で応じるフィラデルフィア管の名演と言える。ベートーベンの4番はどちらかというと遅いテンポでじっくりと練り上げた演奏の方が名演として残る傾向が多いが、その対局にありな…
ムーティとフィラデルフィア管によるベートーベンの全集。すべてデジタル録音で、ボックス番号がEX 157 7 49487 1。ドイツプレス。EMI。1枚目:5番、1番(1985年録音)2枚目:2番(1987年録音)、4番(1985年録音)3枚目:3番(1987…
第1番、第2番と続けて聴くと判るが、またまた録音条件が違うようだ。ボストンシンフォニーホールの有名な残響感が特に強く感じることは無い。ただ、曲が進むと、不思議とそれが何かモノラル録音の様な朴訥とした簡素な音の圧力となって迫ってくる。その荒…
第2番になると急に音の輪郭がはっきりとしてくる。聴く方の耳がRCAの音に慣れてきたのかも知れないが、少なくとも第1番とではマイクのセッティングが異なるようだ。ボストン交響楽団の表現力の強さというか確実な音への当たり方をラインスドルフが的確に演…
ボックスカタログ番号はSJA 25 041-R/1-7。RCA,ドイツプレスの7枚組。1962年から1969年にかけて録音したベートーベンの全集。中古レコード市場であまり見かけることは無い。 1970年のベートーベン生誕200年という、いわゆるベートーベン…
ボックスカタログ番号は2740 268、3枚組で西ドイツプレス盤。 ベームがベルリンフィルとモーツアルト全曲を録音したのが1959年から1968年にかけて。その後1976年から1980年の晩年にこのモーツアルトの録音をウィーンフィルと残した。比較さ…
いよいよこの全集も最後。1975年1月のミュンヘンでの録音。手兵バイエルン放響で第9をあてたDGG社、クーベリックの期待度はもちろん、聴き手も期待度が大きいのだが、どうも録音条件が上手く設定されておらず、バランスが悪い。マイクの配置に問題があ…
1975年3月にクリーブランドにて録音。この全集を通して感じるクーベリックの時間の使い方が、この録音ではガラッと変わっており非常に面白い。ベートーベン8番へのイメージがそういった軽快で明るいものであり、クーベリックの変幻自在なところが感じ…
1974年9月、ウィーンでの録音。クーベリックが1970年にミュンヘンで録音したバイエルン放送交響楽団の同曲の録音を愛聴する私にとってみれば、非常に興味深い。クーベリックの音楽解釈が大きく異なるとは思えないが、それを受け取る側のオーケスト…
1番から聴いてきたこのボックスも6番まで来ると後半に入ってクーベリックの世界にどっぷりとなってくる。 1973年1月パリでの録音。サウンドとして新鮮で、充分な響きを印象的に残す。細部の構造まできっちりと独特の時間軸で表現する音楽を、聴く方は…
クーベリックのこのシリーズでアメリカのオーケストラはこのボストンと8番のクリーブランド管弦楽団の2曲。やはりシカゴ交響楽団は入っていないところが、興味深い。1973年の録音。 クーベリックとボストンと言えば、有名なスメタナの連作交響詩「我が…
1971年10月の録音。つまり、クーベリックのこの一連のベートーベン交響曲録音はベルリンから始まったことになる。そしてカラヤンが君臨していたベルリンフィルとの演奏に英雄を選んだのはDGG社としては野心的な選択だったような気がする。 第1楽章は…
1974年、コンセルトヘボウでの録音。音楽全体に流れる上質な気品を感じる。クーベリックの意図を的確に掴んで空間にそっと音を置いていく好意的な演奏は、録音セッションが非常に上手くいったことを思わせる。どの楽器群も全体のバランスや音楽の美しさ…
B面にひっくり返して第4番が始まったとたん、このクーベリックによる異なるオーケストラでのベートーベン交響曲全集録音の企画が、見事に成功しているというのが判る。クーベリック自身のアプローチの基本は同じだが、それを感じ取って演奏するオーケストラ…
1971年から75年にかけてクーベリックがベートーベン交響曲全曲を全て違うオーケストラで録音した伝説の企画もの。DGG社がこの企画に至った経緯はいろいろと言われているが、やはりカラヤンが存在する中、「配慮した」という説が一番説得力がある。ただ…
悲愴は、このボックスを手に入れて最初に聴いたので、1番から順番に聴いている今回が2回目となる。1回目はそうではなかったが、ここまで続けて聴くと、レニーの楽しみ方が堂に入ってくる。1楽章の冒頭から既に、悲しみに震える心の響きとそれに向き合う…
同ボックスのチャイ4の興奮がさまやらずそのまま5番を聴いている。冒頭のクラリネットのソロの暗く深い陰影から始まる。全体的に縦横無尽にテンポを操りながらも低音弦楽器の厚さを印象的に使いながら、重苦しいくも暖かい雰囲気を見事に作り上げている。…