Opus.92

LPレコードの感想など。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ラファエル・クーベリック指揮クリーブランド管弦楽団 ベートーベン交響曲第8番ヘ長調作品93

1975年3月にクリーブランドにて録音。この全集を通して感じるクーベリックの時間の使い方が、この録音ではガラッと変わっており非常に面白い。ベートーベン8番へのイメージがそういった軽快で明るいものであり、クーベリックの変幻自在なところが感じ…

ラファエル・クーベリック指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第7番イ長調作品92

1974年9月、ウィーンでの録音。クーベリックが1970年にミュンヘンで録音したバイエルン放送交響楽団の同曲の録音を愛聴する私にとってみれば、非常に興味深い。クーベリックの音楽解釈が大きく異なるとは思えないが、それを受け取る側のオーケスト…

ラファエル・クーベリック指揮パリ管弦楽団 ベートーベン交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」

1番から聴いてきたこのボックスも6番まで来ると後半に入ってクーベリックの世界にどっぷりとなってくる。 1973年1月パリでの録音。サウンドとして新鮮で、充分な響きを印象的に残す。細部の構造まできっちりと独特の時間軸で表現する音楽を、聴く方は…

ラファエル・クーベリック指揮ボストン交響楽団 ベートーベン交響曲第5番ハ長調作品67

クーベリックのこのシリーズでアメリカのオーケストラはこのボストンと8番のクリーブランド管弦楽団の2曲。やはりシカゴ交響楽団は入っていないところが、興味深い。1973年の録音。 クーベリックとボストンと言えば、有名なスメタナの連作交響詩「我が…

ラファエル・クーベリック指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 ベートーベン交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」

1971年10月の録音。つまり、クーベリックのこの一連のベートーベン交響曲録音はベルリンから始まったことになる。そしてカラヤンが君臨していたベルリンフィルとの演奏に英雄を選んだのはDGG社としては野心的な選択だったような気がする。 第1楽章は…

ラファエル・クーベリック指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 ベートーベン交響曲第2番ニ長調作品36

1974年、コンセルトヘボウでの録音。音楽全体に流れる上質な気品を感じる。クーベリックの意図を的確に掴んで空間にそっと音を置いていく好意的な演奏は、録音セッションが非常に上手くいったことを思わせる。どの楽器群も全体のバランスや音楽の美しさ…

ラファエル・クーベリック指揮イスラエルフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第4番変ロ長調作品60

B面にひっくり返して第4番が始まったとたん、このクーベリックによる異なるオーケストラでのベートーベン交響曲全集録音の企画が、見事に成功しているというのが判る。クーベリック自身のアプローチの基本は同じだが、それを感じ取って演奏するオーケストラ…

ラファエル・クーベリック指揮ロンドン交響楽団 ベートーベン交響曲第1番ハ長調作品21

1971年から75年にかけてクーベリックがベートーベン交響曲全曲を全て違うオーケストラで録音した伝説の企画もの。DGG社がこの企画に至った経緯はいろいろと言われているが、やはりカラヤンが存在する中、「配慮した」という説が一番説得力がある。ただ…