Opus.92

LPレコードの感想など。

リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団 ベートーベン交響曲第2番ニ長調作品36

ムーティとフィラデルフィア管によるベートーベンの全集。すべてデジタル録音で、ボックス番号がEX 157 7 49487 1。ドイツプレス。EMI。
1枚目:5番、1番(1985年録音)
2枚目:2番(1987年録音)、4番(1985年録音)
3枚目:3番(1987年録音)
4枚目:6番(1987年録音)
5枚目:7番(1988年録音)、8番(1987年録音)
6枚目:9番(1988年録音)
という収録。ベートーベン全集が5番で始まるのは珍しい。

やはり、私には1981年来日公演でのNHKホールでの演奏(悲愴、展覧会の絵)の印象が強いため、1980年後半のデジタル録音ながらLPで全集としてリリースされていたというのは嬉しい限り。ただ、デジタル録音も技術向上の途上であり、1985年録音と1987年録音では技術の差が大きく、当然、録音エンジニアの音の捉え方が全然違っている。勿論、もしアナログ録音ならば、と思うのは確かではあるが。

華やかで色彩感が豊かで、リズムも溌剌としておりフィラデルフィア時代のムーティの内面的な充実ぶりを感じさせる。何よりも表現が積極的で挑戦的でもあり、今聴いても全く新鮮である。弦楽器の響きも美しく、木管の音色も柔らかく柔軟であり、フィラデルフィアサウンドと称される味わいが充分。