Opus.92

LPレコードの感想など。

エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団 ベートーベン交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

第4番に続けて、レコード盤を替えることなく第5番の1楽章が始まったのでそのまま聴いている。非常に冷静であくまで音の純粋な響きを聴かせる。特に、劇的な盛り上げ方をする訳でも無く、淡々と音楽が進むのではあるが、それは間違いなく語りかけてくるような歌であり、何故かラインスドルフのファンになってしまっているような心持ちがする。

2楽章になるとその歌の魅力はさらに広がり暖かく心地が良い。 3楽章ではラインスドルフの絶妙な技が発揮され、特にコントラバスとチェロのトリオでは抜群の運動神経を見せる。第4楽章では、予想通りかなりあっさりとした仕上がりにしならも、輪郭を丁寧に起こしており統率された迫力を存分に聴かせてくれる。トスカニーニ的とも言える。