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Opus.92

LPレコードの感想など。

エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団 ベートーベン交響曲第4番変ロ長調作品60

長い間、ムーティ、フィラデルフィア管の全集を聴いていたが、久々にラインスドルフの録音に戻ると、ムーティのEMIの録音の悪さが余計に感じられる。確かRCAの録音状態も良い訳では無かったはずだが、非常にまともな録音に感じられる。

ムーティと比べて、同じアメリカのオーケストラだが、響きはかなりドイツ的でもある。全体的に間延びの無い淡泊とも言える音使いだが、それが軽快で面白い。若いムーティの突き進むような軽快さとは全く異なり、音の処理の仕方に独特の意思の強さがあり、ラインスドルフ的なベートーベンを感じることができる。

ボストン交響楽団の響きはやはり美しく落ち着きがある。これもフィラデルフィアの鮮やで多彩な色彩感覚とは全く趣が異なり、これも愉快である。私は、欧州的な響きを持つボストン響の方がしっくりとくる、というか安心感がある。例によって1楽章の主題部分など予想外なテンポが時々現れるが、極端に不自然ということでは無く、逆に意外と丁寧に隅々までボストン響を鳴らしており、音楽構築も、全ての柱や梁をはっきりと目で確認できるようであり、実に玄人好みの演奏する指揮者と感じる。1966年録音。

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