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Opus.92

LPレコードの感想など。

リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団 ベートーベン交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」

フィラデルフィア管の重低音の快い響きと充実した音楽の流れが感じられる。1987年の録音ながら新鮮な雰囲気を感じさせるところがムーティらしい。特に柔らかい響きをポンと置くようなタッチは独特である。なかなかこの曲を面白く味わせてくれる録音に出会うことが無いだけに嬉しい。明らかにドイツ系指揮者とのアプローチとは異なり、背景となる画面の穏やかな明るさが印象的である。この曲に関してはEMIの録音状態も良いようだ。

第1楽章に続いて豊かな響きを蓄える第2楽章と美しい演奏は続くところは絶妙である。第3,4楽章ではそういった良さを感じることが少ないが、第5楽章になると再び弦楽器群の美しいハーモニーを満喫することができる。緩徐楽章に強い個性を発揮している、あるいは聴き手がそれを理解しやすいことが判る。

あと、第2楽章終わりのフルートとオーボエの掛け合いや、微妙なフルートのトリルの変化は、妙の極みと言える。