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Opus.92

LPレコードの感想など。

リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団 ベートーベン交響曲第4番変ロ長調作品40

非常に切れ味があり、曲の波を追い立てるようなムーティの指揮に抜群の運動神経で応じるフィラデルフィア管の名演と言える。ベートーベンの4番はどちらかというと遅いテンポでじっくりと練り上げた演奏の方が名演として残る傾向が多いが、その対局にありながら、素晴らしい仕上がりとなっている。やはり、イマイチ音を拾いきれていないデジタル録音の質に残念感はあるが、特に2楽章の弦楽器の音の重ね方などムーティの絶妙なコントロールには関心させられる。確かに、アプローチとしてはドイツ系指揮者とは明らかに異なり、音色の繊細でわずかに異なる色彩を使いながら、音と音の間を独特でかつ奔放な時間感覚で表現をすることでこの曲の違った魅力、それはムーティからしか得られないであろう、を教えてくれる。それでいて、時々野暮ったい表現が突然現れて「は?」と思わせるところもムーティらしい。