Opus.92

LPレコードの感想など。

ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団 ベートーベン交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」

いよいよこの全集も最後。1975年1月のミュンヘンでの録音。手兵バイエルン放響で第9をあてたDGG社、クーベリックの期待度はもちろん、聴き手も期待度が大きいのだが、どうも録音条件が上手く設定されておらず、バランスが悪い。マイクの配置に問題があるのだろうか、各楽器群の聞こえ方にまとまりを欠き集中力を散漫にさせてしまう。

演奏は、全体を纏めて機敏さを出すために敢えて重厚さよりも機能的なものを要求しているような感じでもある。何かCD時代の音の創り方みたいに聞こえる。

スタンダードで見本の様な演奏と言った世評もあるようだが、クーベリックの演奏はそもそもスタンダードでは無く、色濃い個性を持ったものであるはずだが。

ふむ、こちらの聴き方が悪いのか。また、後日、再度聴いてみようと思う。