Opus.92

LPレコードの感想など。

ハイティンク指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第7番イ長調作品92

f:id:Opus92:20160912020058j:plainハイティンクがPHILIPS時代にロンドンフィルと残したベートーベン交響曲全集から、7番。BOXのカタログ番号は6747 307で7枚組LP。オランダプレスで、レーベルは濃いブルー。箱は少し傷みが見えるが運が良いことにLP盤の状態は大変良い。フィリップスはボックスにスポンジのクッションを入れて出荷しているが、数十年経過してそれがボロボロになって細かいゴミとなりレコード盤の溝に入り込み、台無しにしてしまうことが多いが、入手時(2016年6月)でクッションはまだそういった状態では無かった。

ハイティンクをじっくり聞きたいと思っていたので、第1番から聞いていたが、急にメモを残したくなってこのブログを開設。

ハイティンクは不思議な指揮者で、特徴が全面に出てこないので表現が難しいが、恐らくこのセットが彼の演奏スタイルを理解しやすいと感じたのかも知れない。

相変わらず間の取り方に拘りが無くさらったとした演奏だが、特に録音の良さから彼の繊細さが楽しめる。弦楽器の落ち着いた艶のある音に浸かった中で、楽器群の対比を非常に細かい制度で際立たせたハイティンクならではの玄人芸。計算しつくされたといえばそうだが、それにオーケストラが確実についていける棒の裁き方は、関心させられる。

1974年11月の録音なので、1929年3月生まれのハイティンクは45歳ということになる。アムステルダムとロンドンフィルの主席を兼任していたということだが、ベートーベン全集はロンドンフィルが先だったということになる。コンセルトヘボウとの全集は1980年代、デジタル録音になってからということで、少し不思議な気もする。レコード会社の都合?といえばそれまでだが、アナログ録音でロンドンフィル、コンセルトヘボウの両方が残されていればと面白かったのにと、レコード愛好家としては純粋にそう思う。

と思いながら聞いていたらあっというまに4楽章が終わってしまった。