Opus.92

LPレコードの感想など。

ラファエル・クーベリック指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 ベートーベン交響曲第2番ニ長調作品36

1974年、コンセルトヘボウでの録音。音楽全体に流れる上質な気品を感じる。クーベリックの意図を的確に掴んで空間にそっと音を置いていく好意的な演奏は、録音セッションが非常に上手くいったことを思わせる。どの楽器群も全体のバランスや音楽の美しさ…

ラファエル・クーベリック指揮イスラエルフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第4番変ロ長調作品60

B面にひっくり返して第4番が始まったとたん、このクーベリックによる異なるオーケストラでのベートーベン交響曲全集録音の企画が、見事に成功しているというのが判る。クーベリック自身のアプローチの基本は同じだが、それを感じ取って演奏するオーケストラ…

ラファエル・クーベリック指揮ロンドン交響楽団 ベートーベン交響曲第1番ハ長調作品21

1971年から75年にかけてクーベリックがベートーベン交響曲全曲を全て違うオーケストラで録音した伝説の企画もの。DGG社がこの企画に至った経緯はいろいろと言われているが、やはりカラヤンが存在する中、「配慮した」という説が一番説得力がある。ただ…

バーンシュタイン指揮ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団チャイコフスキー交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

悲愴は、このボックスを手に入れて最初に聴いたので、1番から順番に聴いている今回が2回目となる。1回目はそうではなかったが、ここまで続けて聴くと、レニーの楽しみ方が堂に入ってくる。1楽章の冒頭から既に、悲しみに震える心の響きとそれに向き合う…

バーンシュタイン指揮ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団チャイコフスキー交響曲第5番ホ短調作品64

同ボックスのチャイ4の興奮がさまやらずそのまま5番を聴いている。冒頭のクラリネットのソロの暗く深い陰影から始まる。全体的に縦横無尽にテンポを操りながらも低音弦楽器の厚さを印象的に使いながら、重苦しいくも暖かい雰囲気を見事に作り上げている。…

バーンシュタイン指揮ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団チャイコフスキー交響曲第4番ヘ短調作品36

ボックスの6枚組、カタログ番号はCBS77605。プレス国の記載が無いが表記、及びリブレットは全て英語。購入はオランダからでオランダ語での価格シールが貼ってあるため、オランダ国内で流通していたのは間違いは無いと思われるが、レーベルにSIAE(イタリア…

ハイティンク指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第9番ニ短調作品125

ついにハイティンクのベートーベン交響曲全集も第9に到達。第1楽章が12面に、第2、3楽章が13面に、第4楽章が14面に収められている。第9の魅力はなんと言っても、第1、2そして3楽章の非常に対照的的であり充実した音楽にある。ハイティンクの…

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団チャイコフスキー交響曲第4番ヘ短調作品36

カラヤンBPOのチャイ4。2530 883、英国プレス版。カラヤン自身6回チャイ4を録音しているがその5回目、1976年でBPOとは最後の録音ということになる。カラヤン、チャイコの後期交響曲ベスト盤として名高い4回目のEMI録音(1971年)と比…

2016年プロムス音楽祭 サイモン・ラトルとサカリ・オラモ

昨日、9月10日(土曜日)はプロムス音楽祭の最終日。これから長く暗いロンドンの冬かと思うと、暗い気持ちになる。毎年、必ずそうなるが、やはり最後までBBCの放送を見て、日本と比べると非常につまらない花火にハイドパークに集まった人々が歓喜して…

ハイティンク指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第8番へ長調作品93

べー7が良かったのでそのまま8番を聴いている。 音のフレッシュさから言えば7番の方が良く、マイクの配置か何かの録音環境の違いをかなり感じてしまう。全体にこもっている感じで、ハイティンクの鋭敏な感覚を楽しむにはイマイチ。録音年も1976年5月…

ハイティンク指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン交響曲第7番イ長調作品92

ハイティンクがPHILIPS時代にロンドンフィルと残したベートーベン交響曲全集から、7番。BOXのカタログ番号は6747 307で7枚組LP。オランダプレスで、レーベルは濃いブルー。箱は少し傷みが見えるが運が良いことにLP盤の状態は大変良い。フィリップスはボッ…